令和7年度最初のばっかいんぐカンファレンスが実施されました。フィールドワークでお訪ねしたのは南砺市の株式会社島田木材です。林業は50年、100年という長いサイクルで地域の山や森林と向き合い、守り育てる仕事ですが、近年は温暖化対策における森林生態系の多面的な機能が注目され、同時に一方ではビジネスとしての効率化や高機能化、労働環境の改善が求められるなど、時代の変化と共に更新を余儀なくされている業界でもあります。同社は森林の管理育成、丸太生産、山林の受託管理を手がけるだけでなく、地域の木工職人と共にウィスキー熟成樽の製造に着手するなど、従来の林業の枠に留まらない活動を展開されています。今回のフィールドワークでは、この樽工房と木材伐採の現場を見学。また古くから「木彫刻のまち」として知られる同社近隣の井波地区をご案内いただき、地域の歴史や文化に触れると共に、木材の活用や現状課題について多くの学びを得ました。
午後の創造会議では、島田木材の島田優平社長による事業紹介に続き、フィールドワークで得られた情報・知見をメンバーで共有。「木材の魅力/価値」「解決すべき課題」「富山らしさ」「アップサイクルの可能性」という4つ観点でディスカッションを行いました。アップサイクルにおいて、木材という自然物の端材・廃材のポテンシャルの高さが語られた一方、同じものがひとつとしてないことによる再製品化と量産の難しさなどについてもさまざまな意見や感想が交わされました。