BACCAIng(ばっかいんぐ)では、富山の企業・団体18社と県外企業1社の協力のもと、各現場で生まれるさまざまな端材に着目し、その魅力と可能性を探ってきました。素材も形状も異なる端材について、地元クリエイターと意見交換を重ね、「どのような工夫で新たな価値が生まれるのか」「どのようなプロダクトとして活用できるのか」を検討してきました。展示では端材と共にアップサイクルの“出口”を示すためのプロトタイプを公開しました。
これらは最終的な製品ではありませんが、端材の活用可能性を示す重要な一歩です。
今回、「アップサイクルとしての出口」をイメージできるプロトタイプとして、樹脂ホースの端材を使った照明、印刷裁断端材によるタグシート、ワイヤーを活用したパーテションなどを展示することになりました。とはいえ、今回展示したものは、その可能性を示唆するもので、出口のひとつではありますがゴールではありません。今回の展示をきっかけに、端材の魅力や可能性をより多くの方と議論し、価値あるアップサイクルのプロダクトを生み出すことが私たちのゴールとなります。
また、富山大学芸術文化学部では、BACCAIng(ばっかいんぐ)と連携し、ホース端材を活用したアップサイクルの実践に取り組みました。
同学部での開講授業「デザインプロジェクト」では、サーキュラーエコノミーをテーマにデザイン実習を展開中。その課題の一部として、ノベルティを制作。コースターとケーブルクリップを各50個試作しました。
BACCAIng企画展示ブースで、学生自ら来場者へ試作品を配布し、デザイン意図の説明や感想のヒアリングを実施しました。
若い感性による創意工夫は高い関心を集め、端材活用の可能性を広げる有意義な取り組みとなりました。
今回の展示をきっかけに、BACCAIngの活動に関心を寄せてくださる企業がさらに増えました。今後は地元企業に加え、クリエイターの皆さまにもご協力いただきながら内容をブラッシュアップし、価値あるアップサイクル製品の創出に向けて議論と検討を進めていきます。