


第2回のフィールドワークは富山市の株式会社リッチェルを訪問。キッチンなどのハウスウェア用品からベビー用品、ペット用品、園芸プランターやエクステリア用品、さらにライフケア用品まで、幅広い分野で高品質なプラスチック製品を手がける企業です。サステナビリティの観点から、プラスチックに対する社会の関心が高まる中、使い捨てではない、丈夫で長く使える「良い商品」を提供することで持続可能な社会への貢献を目指しています。フィールドワークでは併設されたリサイクル工場も見学。製造工程で発生する調整品や不良品などを集めて再生活用されていますが、品質基準を維持するために廃棄品が増えてしまうことや、複数の樹脂を混合したプラスチック製品のリサイクルの難しさなど、多くの現場課題も共有されました。
創造会議では、リッチェル社の視察で得られた知見を元に、リサイクルとアップサイクルの現状や課題についてディスカッション。特に、廃プラスチックの再利用における技術的な難易度やコスト面、それらに対する生活者の理解や意識変革の必要性に焦点が当てられ、製品のデザイン段階からリユースを考慮することの重要性についても話し合われました。
再生品に対する生活者の意識(品質や価格に関する許容度など)を変える必要性。その一助となるようなストーリー性のある製品デザインや、プロモーションの重要性が注目された。
異業種間の連携により、廃棄物を新たな材料として活用するアイデアにも広がりが生まれる。また第1回カンファレンスでも意見が多かった同業者間での連携・協業も必須。
アップサイクル品の価値を高めるために、製品自体の価値、ストーリーへの共感、デジタル活用の三位一体のアプローチが必要。
異なる樹脂の混合物は現状リサイクルが困難。またリサイクル品はコストがかさむ一方で生活者は安価を求めるため、コスト削減と価値の再定義が求められる。
従来の“リッチェル・クオリティ”ではなく、業界全体での基準作りが必要。